銀を棒のようにまっすぐ進めて攻めることからこの名が付いた。棒銀戦法は非常に歴史の古い戦法であり、一説には初代名人大橋宗桂の将棋に類似の形が見られるという。
特徴
飛車先の歩を伸ばし、銀を繰り出す。
棒銀戦法の特徴は、簡単かつ高い破壊力を持っていることです。棒銀戦法の目的は、飛車先の突破や端攻めを図り、飛車を成って相手陣に侵入することです。
棒銀戦法には様々な種類がありますが、代表的なものは以下のように分類できます。
- 原始棒銀:飛車先の歩を伸ばし、銀を繰り出す最も基本的な棒銀。初心者向きと言われるが、受けを知らないと単純に攻めていっても攻めが潰されることがある。
- 角換わり棒銀:角換わりの形から右銀を進めて2筋突破を狙う。相手の角道を開けておくことが受けのポイント。
- 矢倉棒銀:矢倉の形から右銀を進めて2筋突破を狙う。相手の角道を開けておくことや、飛車先交換型であれば左金を上がらせることが受けのポイント。
- UFO棒銀:相掛かりの形から右銀を▲3六に進めて後手陣を乱す指し方。UFO銀とも呼ばれる。
相手の守りの銀と攻めの棒銀の交換。
単純なようであるが受けを知らないとアッという間に潰されるのが原始棒銀の怖さである。
しかし正しい受け方を知っていても、棒銀が有力戦法であることには変わりない。
相手の守りの銀と攻めの棒銀の交換ができれば、一旦作戦は成功だ。
逆に中終盤まで棒銀が生きずに端で遊ぶような展開になれば、先手不満と覚えておこう。
後手はどうやって受ければ良かったのか。
棒銀対策は右玉で受け流す方法、飛車の横利きで受ける方法などたくさんありますが、低い位置受けて棒銀を跳ね返すのがオススメしたい指し方。
守りの銀は3三に置くと棒銀の当たりが強くなるので銀は2二のままで低く受けよう。
後手の囲いは菊水矢倉。先手の棒銀戦法などの上からの攻めに対して強力な囲いなので、オススメ。
先手棒銀は、相手を正しい受け方を見たら無理に銀を上げずに早めに銀の立て直しを図るのが実戦的だ。
棒銀が遊び駒になってしまうと、立て直しに手数が掛かり不利を招きやすいので引くなら早めに判断しよう。
速攻性に優れる。
対居飛車、対振り飛車どちらにも使える上に、総じて速攻性に優れ、1から4筋を絡めると侮れない破壊力を持つ。
狙いが単純なので、受けられたら無理に攻めるな。
しかし、狙いが単純なために受けも容易で、銀が残ってしまうと不利になりやすいという欠点もあります。
狙いが単純で受けの対策を立てやすい。また中盤の捌き合いの後に銀が残ってしまうことがよくあり、そうなると不利を招きやすい。かつては「比較的覚えやすい戦法」として、初心者向けの将棋解説本によく手順が掲載されていた。しかし先述の欠点もあり、真に使いこなして勝率を上げるのは意外に難しい戦法である。
コメント